悪玉中の悪玉「ジンジバリス菌」に要注意

2020-12-20

悪玉中の悪玉「ジンジバリス菌」に要注意
悪玉中の悪玉「ジンジバリス菌」に要注意認知症予防といえぱ、脳トレや運動をイメージする人は少なくないだろう。
それらに加え、「口腔ケア」「心臓病予防」「栄養改善」の三つの対策も、認知症の発症を抑える可能性があることが最新研究で明らかになったという記事を週刊朝日2020年12月25日号は載せていました。

厚生労働省の調査によると、歯肉炎や歯周病の患者数は400万人弱。45歳以上の約5割に4ミリ以上の歯周ポケット(中程度の歯周病)があります。そのなかでも歯周病の患者に多く見られるのが、ジンジバリス菌です。
悪玉の中の悪玉ともいえる歯周病菌で、認知症だけでなく動脈硬化などの発症に関わっている菌としても注目されています。
このジンジバリス菌とアルツハイマー病との関係について、10年以上前から研究を行っている九州大学大学院歯学研究院(福岡市)の武洲准教授らは、人間では中年に相当する月齢の健康なマウスにジンジバリス菌を投与してみました。
すると認知機能の低下などアルツハイマー病のような症状が表れたそうです。また、そのマウスの脳内にはアルツハイマー病の人の脳で増える老廃物「アミロイドベータ」がたまっていることを突き止めたそうです。
武准教授は今年7月、血液に乗って全身に回ったジンジバリス菌も、アルツハイマー病を引き起こす可能性があることを研究で明らかにしました。


悪玉中の悪玉「ジンジバリス菌」に要注意イギリスの研究では、歯周病があるアルツハイマー病の人のほうが病気の進行が速く、歯周病がない人はゆっくりだったことが報告されています。歯周病が発症や病気の進行に関係しているというわけです。

武准教授は「歯周病起因のアミロイドベータは脳の中でも脳の外でも多く作られていて、それがアルツハイマー病の進行を早めるのではないかと考えられます」と言っています。
アルツハイマー病の場合、一部を除いて進行はゆっくりで、一般的にアミロイドベータなどがたまり始めてから認知機能に影響が出るまで、20〜25年かかるとされています。

一連の研究を踏まえ、武准教授は「認知症が進行してしまうと、口腔ケアもおろそかになり、歯周病が悪化しやすい。大事なのはその前に手を打つこと。まずは、かかりつけの歯科医師から自分に合った口腔ケアを教わり、それを毎日続けることが大切です」と語っていました。

配信 Willmake143

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